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女性の薄毛は、専門のクリニックで治療を受けられます。近年、男性ばかりでなく女性も薄毛で悩むことが増えました。薄毛は早めに処置を行えば改善することがほとんどなので、気になったらすぐに治療を始めることが得策です。

このページでは、女性の薄毛を治療する4つの方法を紹介します。それぞれの治療法の内容や、治療期間の長さや治療費の比較といったメリット・デメリットについても解説。また、それぞれの治療にかかる費用の目安も紹介します。

女性の薄毛の治療法について理解を深め、実際にクリニックで治療を受ける際の参考にしてください。

女性の薄毛を治す4つの治療法

自分でどれだけ対策をしても薄毛が改善しない場合、病院で治療を受けましょう。女性の薄毛は、頭髪専門クリニック美容クリニックで診てもらえます。

女性の薄毛治療には、服薬療法や育毛注射によるメソセラピー、移植手術を行なう外科治療の4種類があります。

  1. パントガールによる服薬療法
  2. 独自配合の薬剤を使ったメソセラピー
  3. ダブルマトリックスによるメソセラピー
  4. 毛根の移植手術を行なう外科手術

なお、女性向けのミノキシジルによる外用療法については、別の記事で詳しく解説します。4つの治療法について詳しく見ていきましょう。

パントガールによる服薬療法

パントガールは髪の栄養分を補助する

服薬療法にはパントガール(pantogar)という海外製の医薬品が用いられます。

パントガールは、世界39カ国で販売されている、女性の薄毛(びまん性脱毛症)治療薬です。とはいえ医療用医薬品というよりは、日本国内でいう第一類医薬品(もしくは栄養補助食品)に分類されるため、海外では薬局の他に通販でも購入できます。日本では正式に販売されていないため、利用するには一部のクリニックで処方を受けるか、個人輸入を利用して入手します。

パントガールは髪の栄養分を補助する

パントガールには6種類の成分が含まれています。

パントガールの栄養成分:1カプセルあたりの含有量

ビタミンB1(チアミン):60mg
毛根の代謝活性を高める
パントテン酸カルシウム:60mg
毛細胞の再生におけるエネルギー代謝をサポートし、細胞分裂を刺激し、既存の細胞の再生を支援する
薬用酵母:100mg
微量元素とビタミンを提供し、代謝を活性化し、新しい有毛細胞の形成を刺激する
L-シスチン:20mg
毛髪ケラチンの主成分であり、毛根の自然な機能を促進し、抗酸化作用を有し、遊離基剤として作用する
ケラチン:20mg
すべての髪の主成分であり、健康な髪のための不可欠な成分
パラアミノ安息香酸:20mg
毛髪の色素沈着に好ましい効果を有する

主に、髪を健康に保つための成分が含まれています。特にケラチンは髪を構成する主なタンパク質の一種です。パントガールを飲むことで、髪に栄養が行き渡り、1本1本の髪が丈夫になるのです。パントガールは、1日3回、食後に服用します。飲み忘れた際は1回飛ばし、次に服用するタイミングからまた1錠ずつ飲みはじめてください。

パントガールを飲んだ女性の7割に効果あり

グラフは、アメリカで行われたパントガールのモニター試験の結果です。この試験では、被験者に1日3回パントガールを服用してもらい、脱毛症状の経過を観察しました。以下のグラフは、被験者の抜け毛の量がどれほど減ったかを表したものです。グラフ横の「多い」「中程度」「少ない」「なし」は、抜け毛の量を指します。

パントガールは女性の薄毛を改善する効果がある

服用から6週間で、70%もの人が抜け毛の減少を実感しています。また服用から3か月が経つと、脱毛症状が完治した人が20%にものぼりました。このことから、パントガールは女性の薄毛を改善する高い効果を持つことが分かるのです。

パントガールの服用期間は、3か月から6か月が推奨されています。しかし、効果があらわれたからといってすぐに服用をやめては危険です。また脱毛症状がぶり返してしまう恐れがあります。パントガールの「やめ時」は、効果を実感しだしてから6か月ほど経った頃です。その頃には、パントガールで養われた栄養も安定し、髪の毛も健康な状態になっているでしょう。まとめると、パントガールの服用期間は短くて9か月、長くて1年ほどといえます。

パントガールのメリット・デメリット

パントガールのメリットやデメリットとは

パントガールのメリットは、効果が高いうえに副作用がほとんどないことです。これまで、パントガールを服用して重篤な副作用があらわれたという例はありません。有効成分であるビタミン群にアレルギーなどを持っていない限り、副作用は起こらないとされています。効果にくわえ、安全性も高いことが、パントガールの大きなメリットです。

デメリットは取り立ててないといえますが、しいて挙げるなら重度の脱毛症状には効果があらわれない可能性があることです。びまん性脱毛症の症状が進行しすぎた結果、ほぼ頭部全体がスカスカの状態になってしまっていると、パントガールでは手遅れです。そこまで症状が進行する前に、クリニックにかかり適切な治療を受けることが大切です。

パントガールの費用

パントガールの費用は8000円ほどから

パントガールは自由診療の薬であるため、価格はクリニックや通販サイトによって異なります。クリニックでは、1か月分である1箱90錠が、8,000円から15,000円ほどで処方されることがほとんどです。

個人輸入なら、1箱6,000円から9,000円ほどで購入できます。個人輸入代行サイトを使えば、自宅にいながら簡単にパントガールを購入できるので、安く済ませたい方は個人輸入を利用してみましょう。

独自に配合した薬剤を使うFAGAメソセラピー

FAGAメソセラピーは頭皮に直接注射する治療法

FAGAメソセラピーとは、ミノキシジルなどの発毛を促進させる薬剤を、頭皮に直接注射する治療法です。薄毛治療の中でも最先端の治療法であり、現在、世界中で注目されています。

治療に使用する成分はクリニックによって異なりますが、主に以下の薬剤が使用されます。

薬剤の成分 薬剤の効果・効能
ミノキシジル 毛細血管を拡張させ、髪に必要な栄養を毛根まで届ける
コエンザイム 細胞の再生に不可欠なエネルギーを作り、頭皮の血流を改善させる
IGF-1(インスリン様成長因子) 毛母細胞を活性化させ、成長期を長しくしたり発毛を促したりする
bFGF(線維芽細胞増殖因子) 頭皮の血流を改善させ、毛包の活性化を促す
VEGF(血管内皮増殖因子) 新しく血管を作り、頭皮に回る血量の増加を促す

IGF-1やbFGF、VEGFはどれも成長因子の1つです。成長因子とはタンパク質の一種で、体内の細胞を成長させたり、細胞分裂を促す働きを持っていたりします。

FAGAメソセラピーは発毛効果が高いため、薄毛の症状が広範囲にわたっている「びまん性脱毛症」におすすめの治療法です。また、内服薬や外用薬では薄毛が改善しなかった人にも、FAGAメソセラピーは高い効果を発揮するでしょう。

FAGAメソセラピーのメリット・デメリット

FAGAメソセラピーのメリットやデメリットとは

FAGAメソセラピーのメリットは、脱毛症状の起きている部分に直接、成長因子を届けられることです。薄毛の原因は、ヘアサイクルの乱れによって抜け毛が増えることです。FAGAメソセラピーでは、乱れたヘアサイクルを正常に戻すため、不足している成長因子を注入し、髪の成長期を延長させるのです。頭皮に直接注入するので、内服薬を飲んだり、育毛剤などの外用薬を頭皮に塗ったりするより、高い効果を得られます。頭皮に注射と聞くと心配になりますが、痛みはほぼありません。施術の際は、頭皮を冷やして感覚を麻痺させるからです。

FAGAメソセラピーのデメリットは、術後に痛みが残ることです。施術のあと、針を刺した部分が赤く腫れる人がいるのです。腫れが悪化しないよう、治療を受けた翌日は血流を促進させる飲酒や入浴、運動などの行為は禁止されます。これらの注意事項を守って安静に過ごせば、腫れはじきに治まるので過度な心配はいりません。

FAGAメソセラピーの費用

FAGAメソセラピーは症状の重さで治療費が異なる

FAGAメソセラピーでの1回の注射は、安くて8,000円、高くて80,000円です。なぜこれほど費用に差があるのかというと、症状の重さによって治療費が異なるからです。

脱毛部分が500円玉ほどの大きさしかない場合は、FAGAメソセラピーでの注射も1回から3回程度で済みます。こうした場合の治療費は、高く見積もっておよそ80,000円から240,000円ほどになるでしょう。

しかし、脱毛部分が頭部全体にわたるほど広い場合は、FAGAメソセラピーでの注射を何か月もかけて繰り返し行わなければなりません。当然ですが、治療期間が長引くほど費用はかさんでいきます。脱毛症状がひどく治療期間が長い場合の治療費は、およそ110,000円から960,000円にものぼるでしょう。

FAGAメソセラピーは、施術するクリニックによって費用が異なります。実際に来院する前に、クリニックのサイトで費用を調べておきましょう。

ダブルマトリックスによるメソセラピー

ダブルマトリックスは女性のFAGAに効果があります

ダブルマトリックスとは、自身の健康な毛包組織を採取し、溶かした液体を脱毛部分に注射する治療法です。AGAの治療法として紹介されることが多い治療法ですが、女性のFAGAにも効果があります。

ダブルマトリックスでは、脱毛症状のあらわれにくい後頭部の毛包組織を、真皮ごと採取します。真皮とは、表皮と皮下組織の間にある皮膚の層のことで、コラーゲンやヒアルロン酸など肌を構成する細胞を含む組織です。

皮膚の断面図

採取された毛包組織は、粉砕機で細かく砕かれます。砕かれた毛包組織は懸濁液(けんだくえき)という液体に溶かされ、その液体が脱毛部分に注入されるのです。

自分自身の健康な毛包組織や成長因子が脱毛部分に注入されることで、発毛を促進したり髪の毛を強化したりする効果があります。ダブルマトリックスは、FAGAメソセラピーと同様、1回の施術で高い効果が期待できるのです。

ダブルマトリックスのメリット・デメリット

ダブルマトリックスのメリットやデメリットとは

ダブルマトリックスのメリットは、薬剤ではなく自分自身の毛包組織を治療に使うため、頭皮になじみやすく術後の失敗が少ない点です。育毛剤やFAGAメソセラピーで使う薬剤などでアレルギーが出てしまうと、治療を中断せざるを得ません。しかし、ダブルマトリックスでは自分自身の毛包組織を使うため、体が拒否反応を起こすことはないのです。副作用やアレルギーがないため、安心して治療を受けられます。

そんなダブルマトリックスのデメリットとして、脱毛部分に注入する毛包組織がはじめから死んでいたら意味がない、という点が挙げられます。ダブルマトリックスは健康な毛包組織ありきの治療法でもあるため、その毛包組織(毛根)が死んでいては効果が出ません。たとえば重度なびまん性脱毛症の場合、後頭部まで脱毛が進行している場合も多いでしょう。こうした場合は後頭部の毛包組織を使えないため、ダブルマトリックスではなく別の治療法が提案されます。

ダブルマトリックスの費用

ダブルマトリックスの治療費は統一されています

ダブルマトリックスの費用は、248,000円です。ダブルマトリックスを行っている病院は限られているため、治療費は統一されています。一度に払うと思うと高額ですが、分割払いも可能です。分割回数は6回から84回まで選択でき、月に支払う金額は安ければ5,840円、高ければ41,256円です。

ダブルマトリックスの費用は高額ではありますが、施術は1回で済むことがほとんどです。もし2回目の施術を行うことになったとしても、分割支払いをうまく活用して料金を支払いましょう。

自毛植毛の外科手術

自毛植毛は安全で効果が高い

自毛植毛とは、自分の頭皮に生えている健康な髪の毛を、脱毛部分へ移植する治療法です。移植する毛髪には、人工の髪の毛と自身の髪の毛の2種類があり、より安全で効果が高い植毛術が自毛植毛です。

自毛植毛では、脱毛症状のあらわれにくい後頭部や側頭部の髪の毛を使います。移植に使う部分の髪は、採取しやすいよう短く切られます。その後、専用の機械で毛根が採取されるのです。自毛植毛では局部麻酔がかけられるため、痛みは感じません。また、毛根を採取する際に採取部分の頭皮全体に約1ミリ程度の傷ができますが、小さな傷なのですぐに治ります。

採取された毛根は冷却されつつ、移植する場所ごとに株分けされていきます。株分けとは、頭皮ごと採取した毛根を、毛が1本生えている皮膚や2本生えている皮膚ごとに分けていく作業です。以下の画像が、実際の株分け作業の様子です。

植毛につかう毛根の採取作業

このようにして株分けされた毛根は、自然な仕上がりにするためにすべてひと株ずつ手作業で植えられていきます。

自毛植毛のメリット・デメリット

自毛植毛のメリットやデメリットとは

自毛植毛のメリットは、移植された髪の毛がきちんと定着すれば、半永久的に生え変わり続ける点です。また、自分自身の毛根を使うため、身体が副作用や拒否反応を起こさないというメリットも挙げられます。ダブルマトリックスのメリットと同様、薬剤を使うわけではないので、安全で確実な薄毛の治療法です。

自毛植毛のデメリットとして、施術後しばらくしないと髪を洗えないことが挙げられます。植毛手術を受けた当日は、髪を洗ってはいけません。施術の翌日は軽く濡らす程度なら大丈夫ですが、普段のようにごしごし洗うことは禁物です。術後2週間が経過するまでは、刺激の少ないベビー用シャンプーなどで優しく洗いましょう。

自毛植毛の費用

自毛植毛の費用はおよそ100万円

自毛植毛では、およそ100万円から200万円ほどの費用がかかります。

多くのクリニックでは、1グラフトの移植にかかる費用が、およそ500円から1,000円です。グラフトとは、毛穴ごとに髪を数える単位です。自毛植毛では、髪を1本ずつ移植するわけではありません。髪の毛は1つの毛穴に2本から3本ほど生えており、この1束ごとに移植します。つまり、1グラフトは2本から3本ほどの毛束です。

1回の植毛手術では、平均して約1,000グラフトから2,000グラフトが移植されます。1グラフトが1,000円の場合、1,000グラフト移植すれば100万円、2,000グラフト移植すれば200万円かかってしまうのです。

自毛植毛は、高い効果や安全性を誇るぶん、どうしても費用が高くなってしまいます。移植するグラフトが500から600ほどの場合、かかる治療費はおよそ60万円ほどになるでしょう。もちろん、分割で支払うことも可能です。

植毛手術を受ける際は、事前に複数のクリニックのホームページを見て、費用を比較してみてください。

まとめ

女性の薄毛治療には、服薬治療、育毛注射のメソセラピー、自毛植毛などの外科手術が挙げられます。

パントガールは、女性専用の薄毛治療の飲み薬です。服用から6週間ほどで脱毛症状の改善をもたらすなど高い効果を持ちますが、重度のびまん性脱毛症には効かない恐れがあります。

FAGAメソセラピーは、発毛を促進させる成長因子を頭皮に直接注射する治療法です。施術から4か月で脱毛症状の改善など効果が見られますが、術後は注射した部分が赤く腫れてしまうことがあります。

ダブルマトリックスは、自分自身の健康な毛包組織を溶かした液体を、脱毛部部に注射する治療法です。自身の毛包組織を使うため安全性が高い反面、毛包組織がすでに死んでいたら治療できないというデメリットがあります。

自毛植毛は、自分の頭皮に生えている健康な髪の毛を脱毛部分に移植する治療法です。移植された髪の毛が定着すれば、その後は半永久的に生え変わりを続けます。デメリットは、施術後2週間は満足に洗髪できないことです。

このページで紹介した情報を参考に、自分に合った薄毛の治療法を選んでください。

参考文献・参考サイト

女性の薄毛におすすめの治療法!パントガールって効くの?は、以下のサイトや資料を参考に作成しました。