bFGF

bFGF(びーえふじーえふ)

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bFGFとは、線維芽細胞増殖因子のことです。線維芽細胞の増殖を促すタンパク質の一種であり、新しい血管を作ったり、傷の治癒を手助けする効果も持ちます。

ここでは、bFGFの詳しい作用や、薄毛・AGA治療に対するbFGFの役割について紹介します。bFGFの働きを知り、知識を深める際の参考にしてください。

bFGFは線維芽細胞を増殖させる因子

bFGFとは、塩基性線維芽細胞増殖因子(basic Fibroblast Growth Factor)のことです。FGF2(Fibroblast Growth Factor-2)とも呼ばれています。

線維芽細胞とは、コラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンなど、皮膚の内側にある真皮の成分を作り出す細胞です。線維芽細胞を増殖させるのがFGF(線維芽細胞増殖因子)の働きであり、bFGFは全部で23種類あるFGFファミリーのうちのひとつなのです。

FGF1からFGF10までの因子は、線維芽細胞増殖因子受容体と結びつくことで、それぞれ異なる効果を発揮します。bFGFも、受容体と結びついてはじめて作用するのです。

bFGFの働き・作用

bFGFの主な働きは、前述したように線維芽細胞を増やすことです。bFGFは、23種類あるFGFファミリーのうち、線維芽細胞を増やす作用が最も強いとされています。この作用に加え、bFGFには特徴的な働きが2つあります。

bFGFの働き
  1. 新しい血管を作る
  2. 傷を治す

それぞれの働きについて、詳しく見ていきましょう。

血管を新しく作る「血管新生」

bFGFには、人間の体にもともと備わっている「血管新生」を、さらに促す作用があります。また、血管新生の作用は、医療の現場でも、血管に関わる病気の治療法として確立されているのです。

人間本来の血管新生

血管新生とは、血管が新しく作られることを指します。人間の身体にもともと備わっている機能で、主に怪我が治るときに起こる作用です。また女性に限り、性周期に応じて子宮内膜でも血管新生が行われます。このように、血管新生は決められた状況だけで作用する機能です。

医療行為の血管新生

bFGFの血管新生作用は、医療の現場でも活用されています。新しく血管を作って血流を増やす作用は、虚血状態(末梢組織への血液の供給が追い付かない状態)の患者に有効とされているのです。こうした患者に行われる治療法を「血管新生療法」といいます。血管新生療法の対象となる疾患は、以下の通りです。

  • 虚血性心疾患
  • 下肢閉塞性動脈硬化症

bFGFが持つ血管新生作用は、人間が体内に持つ機能に留まらず、医療の分野にも応用されているのです。

傷を治す「創傷治癒」

bFGFには血管新生作用のほかに、「創傷治癒」を促進させる働きもあります。

創傷治癒とは、怪我の回復を手術や薬に頼らずに、人間が持つ自然治癒力でおこなう機能のことです。人間は生活を送るなかで、切り傷や掻き傷、やけどなどによって外傷を受けることがあります。外傷が治っていく過程(創傷治癒)では、完治までに2つの段階を踏みます。

創傷治癒の過程
  1. 炎症期(炎症反応期)
  2. 増殖期(肉芽形成期)

それぞれの段階について、簡単に紹介します。

炎症期(炎症反応期)

炎症反応期は、出血が止まるまでの期間です。怪我によって起こった出血は、血液の凝固因子が活発になることで止血されます。怪我の状態としては、傷が腫れたり赤くなったり、熱を持ったりしています。炎症反応期は、怪我をしてから4日から5日ほど続きます。

増殖期(肉芽形成期)

増殖期(肉芽形成期)は、傷口が塞がるまでの期間です。

出血が止まると、白血球の一種であるマクロファージにより放出された物質が、線維芽細胞を呼び寄せ、傷を修復する材料であるコラーゲンを産出します。この時、bFGFが線維芽細胞を増殖させることで、コラーゲンの産出量を増やすのです。線維芽細胞と毛細血管、コラーゲンが協力し、傷口の断面を埋めようと働きます。この断面に埋められる組織が「肉芽組織」です。肉芽組織はやがてかさぶたへと変わっていきます。増殖期は、2週間から3週間ほど続きます。

bFGFは、線維芽細胞や毛細血管の増殖を促す働きを持っているため、創傷治癒の期間を短くする働きを持っているのです。怪我の治療に使われるフィブラストスプレーは、bFGFの働きに着目した医薬品です。

bFGFは頭皮の血流を促し薄毛を改善させる

bFGFは、薄毛やAGAの治療にも用いられます。前述の通り、bFGFは血管新生作用を持っています。薄毛治療では、bFGFの血管新生作用で、頭皮の血流を促進する・毛包を活発にする方法が行われています。実際に育毛メソセラピーで使われる薬剤にも、bFGFが含まれていることがほとんどです。

bFGFの血管新生作用で、頭皮の血管が増えれば、より多くの毛根に栄養が届きます。毛根が多くの栄養を吸収できると、それだけ毛髪が健康に育つのです。

bFGFは他の増殖因子より高い血管新生作用を持つ

代替テキスト

bFGFは非常に高い血管新生作用を持っています。血管の成長に特化した因子(VEGF)よりも、高い効果を発揮するのです。

血管新生に特化した因子・VEGFとbFGFで、どちらがより血管新生作用に優れているかを比較する実験が行われました。後ろ足への血液供給が不足しているマウスに、VEGFとbFGFをそれぞれ投与する実験です。

VEGF過剰発現では救肢効果や血流回復効果を得ることはできず,逆に浮腫・炎症反応が目立ち,かえって予後を悪化させるという結果となった。一方,bFGF/FGF-2 過剰発現群では高い救肢効果,血流回復効果を得ることが可能であった。

実験では、VEGFでは治らなかったマウスの虚血状態が、bFGFで回復したという結果が出ました。このことから、bFGFの血管新生作用は高く、薄毛やAGAの症状を改善させるには十分な効果を持っているといえるでしょう。

まとめ

bFGFとは、塩基性線維芽細胞増殖因子です。FGF2とも呼ばれ、線維芽細胞を増殖させる他には、「血管新生」と「創傷治癒」の作用を持っています。

bFGFは、薄毛・AGAを治療するメソセラピーの薬剤にも使われています。同じ血管新生作用を持つVEGFよりも優れた効果を持っており、薄毛・AGA治療に高い効果を期待できます。

参考文献・参考サイト

AGAの用語集「bFGF」は、以下のサイトや資料を参考に作成しました。